2008.11.20 Thursday
SCについての不毛な論争はそろそろ止めないか
ちと思うことがある。
様々なblogやwebサイトでSCについての様々な意見がある。 スクールカウンセリングの困難さについては、論を待たないところであろう。実際に学校現場は様々な要因、風土、地域性、学風、さらには利権やら教職員やらの思惑などなど、かなりややこしい現場だと思う。実際に、カウンセリングやらコンサルテーションやらの業務がメインになっていない学校も、なかにはあると耳にしている。 それだけ不条理な場所にSCが入っていくのはかなりの力量やら、多くの経験、また時には機転やら、センスやら、諸々のものが要求されるのではないかと思っている。勿論これは小生が現場で感じ取ったこと、また見聞きしていることと合わせて、諸処の文献やらwebやらblogやらにも明示されていることでもある。 その意味では、初心者に、簡単に任せられるような性質の業務ではないと考えた方が無難だろう。 最近ではSSWやら親と子どもの相談員やら、また県費でまかなわれているSCに市区町村単独予算で動いているSCと、乱立している。これらが学校内で、教職員とともに、有機的に結びつき、お互いに補い合い、高め合い、また協業作業が出来ている現場は稀かもしれぬ。なかにはお互いに足を引っ張りあっている場所もあるやもしれぬ。 その中でSCとしての独自性、専門性を発揮し、また諸処の問題を解決の方向に導いていくのは、並大抵のことではない、と思う。 このことを考えれば、常勤職が見つかるまでのつなぎの“割のいいアルバイト”として、中途半端に学校内に入っていく臨床心理士は、はっきり止めて頂きたいと思う。 もし資格取り立て、或いは大学院出たての方が、どうしてもSCを生業にしたいと考えておられるなら、その分真剣に取り組んで頂きたい。 直接的ではないにしろ、人の生き死にに関わる職種であることは、頭の片隅で結構なので忘れないで頂きたい。 すこし穿った見方をすれば、病院臨床であれば直接的責任は院長に押し付ける事も可能かもしれない。しかし、学校臨床では、そのあたりがかなり曖昧である。総責任者は所属校の校長・教頭級であろうが、相談内容の守秘、の面で、consensusが形成されているとは、まだまだ言い難いのが現状であろう。そう考えると学校臨床がいかに困難な現場か、理解できるか、と思う。 理解できないならば、それこそ、学校臨床から去って頂きたい。 それはともかくとしても、臨床心理士間でも、中にはSC活動に懐疑的な意見を持っておられる(と思われかねない)方が時々見受けられる。もちろん、皆さんそれなりの臨床センスなりスタンスなりをお持ちであるだろうし、SC活動・事業について真っ向から否定される方は少数であると、信じている。だが、時折見かけられるのが、SC活動の大変さ(経済的にも精神的にもなんにつけても)について、あまりにも人事としての意見を表明されている方々が、少なくない、ということだろう。 確かに現在、スクールカウンセラーに対する風当たりが、段々厳しさを増してきていることは、否定しない。実際、予算が削られているし、また、業務に査定が導入されつつある、またはされた地域もあるという話も承知している。 しかしながら、あまりに他人ごとのように、SCの抱えている諸問題をとらえていらっしゃるのは、見ていて気分がいいものではない。というよりも、ムカつく。それも、かなり強く。 小生も現在の状態に危機感を抱いているひとりでもある。SC事業についても、臨床心理士の養成・資格についても、である。しかし、現在の状態をネガティヴにとらえてばかりでは、生産的だとは、必ずしも言えない。否、非生産的ですらある。 現状をふまえた上で何が一番良い選択であるか、再度考えてみるのが、重要ではなかろうか。 SCの予算が削られて大変そうだと傍観者的に物事を見ていても、何ひとつ解決の糸口は見いだせない。仮に、最高だと思える(感じている)常勤ポストを確保されていたとしても、またSCに全く興味がない、関わりたくなくとも、対岸の火事のように見られていては、いつか自分のもとへ火の粉が飛んでくるのでは、とも考えている。 臨床心理士という、ひょっとしたら胡散臭い専門職(かなり幅が広すぎるが)であるという、連帯感を持たないか。 個々の問題は、お互いに磨きあい、高めあうように努力する事で解決していかないか。 そして臨床観の違いも、お互いのスタンス・センスを信じてやっていくのがいいのではないか? 間違っても、お互いのスタンス・センスを否定しあう(それも非生産的に)ような泥仕合は、絶対に見せてはいけない側面だと思える。 なお、専門職を使い、業務を委任する場合の時間単価(末端)は、だいたい30分について4,000円台後半から6,000円程度である。例えば、小生が馴染みにしている美容院で支払う金額は、カットとシャンプーのみでだいたい4,500円程度。所要時間は約45分から60分程度。また、最近自動車ディーラーでは、工賃の基準金額を明示しているところも近年多いが、こちらも0.5時間につき5,000程度の所が多い。弁護士や税理士の報酬額も同じくらい。 こう考えればスクールカウンセラーの時間報酬が極端に高い訳ではない。 むしろ、毎日のように勤務日を持てるようになったとしても、税込み年俸が500万円を超えるのは、かなり困難だ。400万円台中盤に乗せるだけでもかなり大変な作業となる。しかも業務内容としては、想像する以上に大変に困難だ。 こう考えれば、現状として、スクールカウンセラーがかなり冷遇されている、と言っても過言ではなかろう。 これはスクールカウンセラーのみならず、多くの臨床心理士が、必要以上に安売りされているようなものだ。 どうせやるなら、建設的な方向でやりませんか? |







