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臨床心理士雑感
さいころじすと日記のtakashiさんと、ロテ職人の臨床心理学的blogのロテ職人さんからTBをいただいたので、それにまつわる雑感を少々。

なお該当記事は以下の通りです。
【一番】こんな状況じゃ開業もアリ…だけど3【怖いパターンは】byロテ職人さん
■[心理学小話][時事問題]開業臨床心理士 雑感by takashiさん


今回の話題は、別に開業といういうことにこだわったわけでもないのですが、基本的には、カウンセラー(臨床心理士はもちろん、エセラーではないカウンセラー、産業カウンセラー、キャリアコンサルトなども含む)の地位を向上させることが可能か、夢を語れる仕事に就けるか否か、という、本当に下世話な気持ちから生まれたわけで…。

たとえば、以下のようなもの
年収は約壱千萬圓ほど、メルツェデスEクラスとVWのpoloに乗って、嫁さん&子ども3人が家族。休日は、家族を連れてキャンプに出かけたり、スキーに出かけたり…
という日常を楽しむ30代半ばの臨床心理士


その意味では、ちょっとばかりロテさんやtakashiさんの意図するところは、私からは遠くなってしまったような感もあります。
まあ、少なくとも、それだけ稼げる臨床心理士(特に若手)というのはほとんどいない、ということになるでしょう。とはいえ、やり手のビジネスマンであれば、これぐらい稼いでいる方はいくらでもいる(格差社会の問題点はさておいて)ということも事実なのです。
もしも、一日8時間で週に5日間SCに行っていれば、相当な収入ですが、安定性という意味では全く保証がないのですから…

とはいえ、takashiさん曰くの
開業というのは、いろいろな形があります。心理士会が方針で決めようとしている開業の定義は「プレモダン」の発想で、実にくだらないわけです。腕があって、倫理観もあって、きちんとした判断ができる----つまり、本来あるべき能力を持っていれば、開業したらいい。言い換えれば、そもそもとして「普通に仕事ができる人であれば、どこでもやれるし、開業もできるでしょ」ってことです。

というのには禿しく同意いたします。

逆に、ロテさん曰くの
それを避けるために、安易な開業は職業団体として規制する必要もあるのではないかと思いますよ。「クライエントに迷惑をかける開業臨床家」が増えると、結局それは同業者の不利益となって返ってくる可能性もあるわけですし。

については、同意しかねる部分があります。

確かに、臨床能力の有無(高低か?)は経験年数の長さに依存する面もあるかもしれませんが、経験が長かろうと短かろうと、使えないものはつかえんのです。逆立ちしようと何をしようと。
もし、そのことで何らかの不利益が別の臨床心理士(あるいはnotエセカウンセラー)に降りかかることがあった場合、逆に言えばその程度でしか臨床心理士(特に不利益を被ったor被ると主張する人)の社会的信用がないor社会的信用を得ているという実感がない、ということにもなるかと思います。

6/8追記
ロテ職人さんは経験年数で開業を規制しろ、とは考えていないとのこと。
訂正


いずれにせよ、ロテさんが曰くところの
エセカウンセラーに限らず、臨床心理士を持っている人の中にもこういう人、いるんじゃないかと思うんですよ。自分の臨床能力をわかっていない(あるいは理解しようとしない、理解したくない)人が。

そして一番怖いパターンはそういう人が開業することだと思うのですよね。

というのは一番怖いことではありますね。

開業しようと、SCだろうと、病院だろうと、産業だろうと、司法であろうと、使えん香具師はつかえないのです。
その意味では、特に自分の能力を理解しようとしない人、つか、気がつかない香具師でしょうね。こういう人はどんな場合でも、夢さえも語ってほしくないです。

もうひとつ、付け加えるならば、自分のやっていること(臨床家としてだけではなく、社会生活を営む上で)が周囲にどれだけ影響を与えるのか、見積もりが立てられない人は、絶対に臨床に携わるべきではないでしょうね。


つまり、

常識のない香具師は臨床にくるんじゃねぇ!

ということですね。
心理・サイコ | 22:48 | comments(5) | trackbacks(4) | - | - |
コメント
あははは、夢というか妄想----(失礼)

いやあ、私も車はGolfのR32とかアウディのA6ぐらいは乗れるようにはなりたいですww。

でも、最近思うのは----常勤の労働者ですら、給料が抑えられ、年功序列・終身雇用が崩壊しつつある中で、臨床心理士の報酬の根拠がいったいどこにあるのか、ってことですね。

ところで、先日の日記に、自動車工賃8000円という話がありましたが、あれは1日の給料とは違うのですか?
最近、仕事の関係で労働者と関わることが多くなっているのですが、自動車整備士は軒並み給料が低かったです。40代の常勤でも手取り16〜18万でした。

いや、高級車のディーラーの整備士ならもらえるかもしれないですが。
| takashi | 2006/06/06 11:41 PM |

>takashiさん
コメントありがとうございます。
工賃のことですが、ディーラーや整備工場のほうに掲示されている(つまり、我々が請求される)金額という意味です。
誤解を与えたようで恐縮です。

それでも、これって妄想ですかね。
仮に妄想だったとしても、それぐらいはねらえる(かも)と思えるような職種に、なってほしいものだと思っているのですがね。
労働者の給料が抑えられていること、年功序列の崩壊、というのは同意しますが、それならばなおさら、専門職としての地位向上が問題となるのではないかな、と思ったりもしています。

まあ、賃金制度って難しい面もありすぎですけどね。
| へなちょこ心理士 | 2006/06/07 9:09 AM |

はじめまして。
私は、臨床心理の院生をしております。
皆様のご意見を、いつも興味深く読ませていただいております。

本論とは全くかかわりのないことですが、本日の文中に、香具師に対する言葉の使い方に、差別観を感じました。心理に関わる者には、こういった業種とかかわりのある人間がいないとお考えかもしれませんが、そうとばかりは言えません。

もしも、職業に貴賎があるとお考えでしたら、それが、多様なクライエントに、どう向けられるのか、心理を学ぶ者としてというより、1人の人間として気になり、コメントを書きました。
ぜひともご一考願います。


ちなみに、語源としては、
香具師(やし)の元の意味は、興行や物売りを業としている人の事を言う。テキ屋。
だそうです。
| テキ屋の娘 | 2006/06/07 9:30 AM |

>テキ屋の娘さん
初めまして
詳細は今日のエントリで述べますね。
| へなちょこ心理士 | 2006/06/07 8:06 PM |

>それでも、これって妄想ですかね。

いえいえ、へなちょこ心理士さんの考えや思いを否定しているわけではないです。

専門性にはそれなりの対価が支払われるべき、とは私も思います。ただ、臨床心理士が自ら、現在の対価について正当性をきちんと説得力をもって主張できてはいない、エビデンスすら示せていないので----厳しく言えば、それだけの対価をもらうための努力、さらに言えば義務を怠っている。

あと、現在の一般の仕事との比較の中では、その単価はやはり浮世離れしている面は否めないかなと思います。

それから、臨床心理士の場合は、地位向上と単価はある程度トレードオフの関係にあるかと----地位向上のためには、多くの臨床心理士が開業することが不可欠。しかし、そうなると単価が下がる----ジレンマです。
| takashi | 2006/06/08 12:21 AM |

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2006/06/07 8:04 AM
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2006/06/08 11:17 AM
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2006/06/10 7:28 AM
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しゅう兄さんの臨床心理士的生活
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2007/01/31 5:48 PM
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